要旨

背景

シミュレーションは、実物そっくりのマネキンを用いたハンズオンとディブリーフィングセッションからなる教育法で、時間とコストがかかる。

教育者の多くが学習には両方の要素が重要と考えているものの、個々の要素が及ぼす影響については知られていない。

 

目的

本研究の目的は、シミュレーション経験のどの部分でより多くの知識を得ることができるかを評価することであった。

 

方法

3つの看護大学の同じ学習過程にあり免許取得前(prelicensure)の看護学生162名(平均年齢25.7歳、SD = 6.6歳;女性85.5%)を対象に、2つのグループで、シミュレーションの要素(ハンズオンのみとハンズオン+ディブリーフィング)が心不全に関する臨床知識に及ぼす影響を検討した。事前に心不全に関する知識テストをプレテストとして実施し、ハンズオン終了後(事後テスト1)、ディブリーフィング後(事後テスト2)を行った。

 

結果

心不全知識スコアは事前テストから事後テスト1にかけて低下したものの(ハンズオン実地後;平均−5.63、SD = 3.89;p <0.001)、ディブリーフィング後に劇的に改善した(平均+6.75、SD = 4.32;p = <0.001)。

 

結論

HF知識が得られたのはディブリーフィング後のみであった。今回の研究は、標準化したシミュレーション学習においてディブリーフィングを重視すべきであることを示唆している。今後の検討事項としては、ディブリーフィングの影響とシミュレーションの構成要素であるハンズオンを実施しない場合の集中教育の影響を評価していくことがあげられる。

 

キーワード:ディブリーフィング、看護教育、シミュレーション、シミュレーション研究