急性期病院や看護学部・医学部において医療シミュレーショントレーニングが定着しつつある中で、プライマリケアにおけるニーズも見過ごすことはできない。NHSファイフ管轄のプライマリケア蘇生部門(Primary Care Resuscitation)の部門長Jim Milliganはカーデンデン・ヘルスセンター(Cardenden Health Centre)内に新たに設置されたシミュレーショントレーニング室に我々を招き、プライマリケア固有の問題を克服する上でシミュレーション教育プログラムがどのように役立ったかを語ってくれた。
 

課題を探せ!

予算的制約が重くのしかかる中で、稀な緊急事態に対応するための臨床スキルの継続教育研修および再教育研修を実施することは1つの課題である。このほか、プライマリケアは多種多様な専門診療領域を診る医療サービスであるという点や、大きな地理的地域全体で広範囲にこれらのサービスを提供することによる運営上の問題も考えられる。これがプライマリケアの世界なのだ。

これらの問題はファイフ州に限ったことではないが、ヘルスセンター内でのシミュレーションセンターの設置は、広範囲の医療スタッフにより多く教育の機会を提供し、全体における患者ケアの質を向上させる点で大変意義のある第一歩だといえる。

 

可能性を考慮する

 「職種間相互乗り入れ(transprofessional)および多職種連携(multiprofessional)によるトレーニングを導入することにより、医学的緊急事態、心停止、その他の事象の管理において医師、看護師およびAHPスタッフそれぞれの職種がそれぞれの責任を果たすのに必要な臨床技能を身につけるための教育の機会としたいと考えました」と、Jim Milliganは説明している。「また私たちは、NHS Fife管轄地区全体に散在する医療専門家らの学習ニーズに応えるため、『バーチャル学習』を加えた教育環境を構築するプロジェクトを開始しました。」

カーデンデン・ヘルスセンターのトレーニング施設では、教育者およびスタッフに対し、オンライン会議、ビデオ会議、患者シミュレータSimManを用いた医療シミュレーショントレーニングなど幅広く提供している。