シミュレーショントレーニングは、学生が実際の患者と接する前に安全かつ守られた環境下で練習を行えることから、 教育課程において重要な部分をなしていると考えられている。国の規制により講師は入院患者の前では学生に指導できないだけに、このトレーニングがより一層重要となっている。看護教育者が認めているように、シミュレーションは臨床実習中にできない臨床指導をある程度補完できるからだ。


フルダ応用科学大学の臨床実習指導者は、1994年に看護教育カリキュラムに基本スキルトレーニングとインタラクティブなシミュレーションを導入するに当たり、シミュレーションについてさらによく知るため他の教育機関を訪れた。看護・保健学部ではスキルラボのための継続的な資金の確保に努めているが、割り当てられる額は毎年異なり、そのため教授陣にとって長期的な計画が若干の課題となっている。 

 

スタッフの配置

スキルラボは、シミュレーショントレーニングを管理し、インストラクターをも勤めるラボ技術者が主導している。以下のインストラクターも貢献している:

PhD課程看護教育者 1名

PhD課程看護学者 1名

MA課程看護学者 1名

MA課程看護管理学科学生 1名

MA課程健康管理学科学生 1名

創傷管理専門看護師 1名

糖尿病カウンセラー 1名

救急救命士 1名

看護師 2名

 Christine Loewenhardt, Senior Lecturer

 

これまでの経験

利点:「学生は単に理論を習得するよりも実際に手技を行うほうがはるかに多くを学べるというのが共通の理解です」と、フルダ応用科学大学上級講師Christine Loewenhardtは言う。「また、最新の科学的教育方法を応用しており、従来の観血的手術に対する腹腔鏡手術のように新たな医療手技・手術手技に後れを取らないようにもする必要があるため、教育者である私たち自身も学ぶことできます。言い換えれば、シミュレーショントレーニングにより当大学は学問の最高峰であり続けることができるのです。シミュレーションの利点は学生の実践能力のレベルを容易に把握できる点にあり、これにより教授陣は実践力の低い学生が臨床実習に入る前に対策を取ることができています。病棟看護師は学生を指導する時間があまりないため、ほとんどの学生が臨床実習中にあらたな状況に遭遇するのを恐れています。事前にスキルを習得することで、学生は自信を高めることができています」

 

課題:シミュレーションのシナリオを作成するための時間を見つけることは簡単なことではない。全米看護連盟が開発した市販のシナリオ集の翻訳版が完成し、導入すれば、この時間的制約をある程度軽減できるものと考えられる。この他、これまでに明らかとなった課題として、シミュレーショントレーニングにおけるコミュニケーションスキルの教育と十分に現実感を持たせることが挙げられる。教授陣はシミュレーショントレーニングへの配分時間数を増やしたいと考えているが、そのためにはトレーニング資器材の追加が必要となる。

 Franziska Burhenne, 4th semester student at Fulda University.

「シミュレーショントレーニングは、病院での実務実習に入る前に大学でスキルを学習できるので重要です」

フルダ応用科学大学4学期生Franziska Burhenne。

 

施設

トレーニング施設は2つのスキルラボからなり、それぞれに病院用ベッド、カート、ドレッシング材などのケア用品を収容した戸棚が備えられている。

 

 One of the skills labs. Cupboards containing syringes, dressings and other care accessories.