職業訓練学校として3年間の看護プログラムを提供しているケンプテン看護学校では、2009年よりスキルトレーニングとフルスケールシミュレーショントレーニングをカリキュラムに導入しました。導入から18ヶ月後、この新しい教育手法は学生や教員から非常に高く評価されています。

 

導入までの流れ

ファカルティメンバーは、まずロンドン シティ大学とカレアム大学(スイス チューリッヒ)を訪問し、シミュレーショントレーニングのファシリテーション手法を学び、同様のトレーニングを自校に導入するためのアイディアやアドバイスを持ち帰りました。こうしてケンプテン看護学校では2008年から準備を始め、一年後にはシミュレーショントレーニングはすでにカリキュラムに不可欠なものとなっていました。

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クリニカルスキルスラボのメリット

「臨床実習では、学生が学ばなければならないスキルを経験できないというリスクがあります。しかしスキルスラボがあれば、カリキュラムに含まれるすべてのスキルを実際に学ぶ機会が確実に得られるのです。」

とシミュレーションプロジェクトの指揮を執っている2名の看護教員のうちの一人であり、校長代理であるアンジェリカ・カースティン先生は言います。

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ラボのおかげでより良いハンズオントレーニングの機会が生まれ、新しいスキルを常に同じ、正しいやり方で実演でき、また完全にできるようになるまで繰り返し練習することができることで、学生たちが責任を持って学習に取り組むようになった、とカースティン先生は語ります。

 

臨床スキルを次のレベルへ

さまざまなスキルを一通り身に付けたら、学生たちは実際の看護の現場においてそのスキルを使う方法を学ばなければなりません。患者の要望を察知し、それに応じて行動する方法を学ぶことは、一連の技術的なスキルを習得するよりもはるかに複雑な過程です。患者をケアしながら、他のチームメンバーや患者とコミュニケーションをとり、新しく得た情報を処理するといったことを同時に行えるようになるには、時間、努力そして十分なトレーニングが必要です。

 

 

シミュレーション後には毎回ディブリーフィングを実施

インタラクティブなシミュレーショントレーニングが学習のギャップを埋める

ケンプテンの看護教員たちは、患者シミュレータとのインタラクティブなトレーニングは学生たちが「全体像」を理解するのに役立つ、ということに気付きました。これは、患者の要望をよく見極めてしっかりと理解し、必要な予防措置や手段を講じ、そして安全に患者のケアを行うということを意味します。こうしてフルスケールシミュレーションは、学生のトレーニングと能力の向上のための重要なステップとして認められていきました。

 

18ヶ月後の成果

カースティン先生と看護教員のマティーナ・オストハイマー・コッホ先生が、シミュレーショントレーニングに感じた多くのメリットのうちのいくつかをご紹介します:

「シミュレーショントレーニングは、ファカルティのモチベーションを高めるのに効果的です。」

 

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「今私たち教員は、新しい世代の学生を目の当たりにしています。学生たちは自分たちが行う内容に関してより多くの質問をするようになり、次第に臨床実習の場でクリティカル・シンキング(批判的思考)を実践できるようになってきました。」

 

創部{そうぶ}のケア

 

 

「学生たちは、自分たちが行う処置の背景を説明できるようトレーニングされることで、実施内容をより深く理解できるようになりました。これにより、身に付けたスキルや能力がより臨床実習に生かしやすくなったのです。」

 

自分の経験を他の看護学校と共有する

シミュレーション教育の効果が非常に励みとなり、教員たちは折あるごとに他の看護学校の同僚に自分たちの手法を薦めるようになりました。「シミュレーションをカリキュラムに取り入れた方法やこれまでに達成したことを説明することで、より多くの学校が同様のプロジェクトに乗り出してくれればよいと思います。」とカースティン先生は話しています。

 

135 m2のトレーニング施設内の設備:

  • インタラクティブなフルスケールシミュレーショントレーニングルーム:1室
  • 臨床スキルスラボ:2室
  • 老人介護用「共同住宅」:1棟